キャッシングの返済方式は、耳慣れないものもあって分かりづらい感じるかもしれません。そこで、この記事ではクレジットカードや消費者金融の返済方式でよく使われている「残高スライド方式」について解説いたします。
残高スライド方式とは
残高スライド方式とは、残高(借入の残高)によって毎月の返済額がスライド(調整・変更)される返済方式です。これは、クレジットカードや消費者金融などでよく用いられる返済方式です。
残高スライド方式の特徴その1
残高スライド方式は、返済が進むほど、毎月の返済額が減っていきます。
残高スライド方式の特徴その2
残高スライド方式は、借入残高によって返済する最低返済額が決まっています。この最低返済額のことを「ミニマムペイメント」と言います。
例えば、借入残高が5万円なら返済額は4,000円、借入残高が10万円なら返済額は8,000円というように段階的に設定されています。
残高スライド方式の特徴その3
残高スライド方式では、最低金額以上なら自分で返済金額の設定ができます。
残高スライド元利定額返済方式について
残高スライド元利定額返済方式(=残高スライド元利定額リボルビング方式)とは、毎月の借入残高に対して返済額がスライドしていく返済方式(=残高スライド方式)と、リボルビング(リボ払い)が組み合わさった返済方式です。
初回に借入した金額で返済額が決まります。具体的に見ていきましょう。以下が、残高スライド元利定額返済方式の返済例です。
返済回数 | 毎月の返済額 | 元本の返済 | 利息の返済 | 借入残高 |
---|---|---|---|---|
1回目 | 13,000 | 5,500 | 7,500 | 494,500 |
5回目 | 13,000 | 5,838 | 7,162 | 471,660 |
10回目 | 13,000 | 6,289 | 6,711 | 441,130 |
20回目 | 13,000 | 7,299 | 5,701 | 441,130 |
30回目 | 13,000 | 8,471 | 4,529 | 372,809 |
40回目 | 13,000 | 9,831 | 3,169 | 201,501 |
50回目 | 13,000 | 11,409 | 1,591 | 83,129 |
57回目 | 13,000 | 12,662 | 338 | 9,909 |
58回目 | 10,057 | 9,909 | 148 | 0 |
※借入50万円・金利18%の場合の返済例 ※単位:円 |
月々の最低返済額は借入額によって決まっています。
一度決まった最低返済額は、借入額を増やさない限り変わることはありません。
残高スライド方式のメリット・デメリット
限度枠内で何度もキャッシングを利用するときは、残高スライド方式で返済することになるのですが、いくつか注意してほしいポイントがあります。
残高スライド方式のメリット
毎月の負担が少ない
残高スライド方式のメリットは、他の返済方式に比べて返済額が少なめで一定額なので家計への負担が少なくすみます。お金がない時に最低返済額で返済できるのは楽ですし、気持ち的にも余裕が出ますよね。
残高スライド方式のデメリット
返済期間が長引き、トータルの負担が増える
月々の返済額が少なめに設定されているので、他の返済方式と比べると返済が長期間になりがちです。返済期間が長くなるほど利息の負担も増えるので、結果的にトータルの返済額が多くなります。
余裕があるときは繰り上げ返済するのがキャッシングと上手に付き合っていくコツ
残高スライド方式は、「繰り上げ返済」が可能です。
残高スライド方式は月々の返済額が少ないので、返済が長期間になりがちです。そのため利息の負担が増えてしまい結果的にトータルの返済額が多くなるのですが、繰り上げ返済をすることでデメリットをなくすことができます。
最少返済額はあくまで最少の返済額というだけで、この金額以上を返済してはいけないというわけではありません。いつでも返済額を増やすことができます。お金に余裕がある月は、繰り上げ返済を利用するのもいいかもしれません。
繰り上げ返済をするときは、金融機関に連絡を入れておくと安心です。